これからのエネルギー

先日、東電の株主総会にて原発撤廃が否決された。その反対票の割合は89%。

と、メディアで報道されたのはここまでだが、実際は東電側が事前に2人の株主から委任状をもらっており、委任状を行使する代理人の意思で可決にも否決にもできるというカラクリ。その後では皆さんご存知の通り、各地で原発の稼働が再開され始めている。

かたや、こんなニュースもある。燃料を水から作られる「オオマサ・ガス」。常識ではこんな危険なものと思うかもしれないが、なぜかこの方法で生成されたガスは、普通(?)に使えるらしい。実用化する為には、その安全性の確保が最大の障壁となっているが、これはぜひ乗り越えて頂きたい。

それともう一つ、「磁力抵抗ゼロの発電機」というものも、草津市の平松敬司さんという方が発明し、現在特許を申請中だ。

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110531000016

この2つをうまく組み合わせれば、相当効率が良く、安価なエネルギーを作り出す事ができるのではないだろうか?

自然エネルギーの活用については自分も基本的に賛成だが、孫正義が言うような「メガソーラー計画(ソーラーベルト)」には反対だ。遊休農地などを活用するような話をしていたが、今のパネルではあまりにも発電効率が悪く、コストも高い。一体彼が何を企んでるのか興味もないが、ソーラーは一般家庭やビルの屋上など、どのみち太陽光が当たる場所を無駄なく活用する程度に止めておくべきだ。

理由としてはまず、日本の食料自給率が100%を超えるまで、農地として活用できる場所は本来の目的で使うべきだと思う。

また、本来太陽光から得られるエネルギーを発電用パネルで遮断する事で、その複雑怪奇な自然のシステムでエネルギーを循環させている生態系への影響が懸念される。

さらに、農地にパネルを設置するという事は、そこは「農地」ではなくなるので、宅地並みの課税がされることになる。いくら太陽光で発電したものを販売したところで、その微々たる発電量では、恐らく税金分にもならないのではないか? 固定資産税を払えなくなった行く末は、考えるまでもない。これらがメガソーラー計画に反対する理由だ。

もとの話に戻すが、ではなぜ効率が悪く、コストが高く、危険な原発を続けるのか?

自分の少ない頭で考えられる理由は、2つしか無い。「国防」と「マネー」だ。原子力技術の向上、プルトニウムの生成で行える事は、発電ではないと考えられる。こんなにも危険で馬鹿げた行為を続ける理由が他に見当たらない。「マネー」については、見事にマネー教の信者になりきった経済至上主義者たちを操るための、単なる道具だろう。

これらの理由がある限り、これからの日本で原発が消える事はない。それを証明したのが、今回の東電の株主総会だ。

そういった現状をふまえ、今後の自分の理想としては、それぞれの地域に適った小規模発電所を数多く作る事だ。最も小さい単位では、各家庭に発電所(発電機)があればいい。もちろんそれには騒音、排水を含め、様々な壁があるだろうが、先に紹介した水を利用したガスと、抵抗ゼロのタービンシステムがすでにあるという事は、これは不可能な話ではない。山々を越える送電線も、変電所も、減らす事ができる。

その他、地熱や海水の温度差を利用した発電方法をはじめ、様々なアイディアがある。もちろん現実的に全てをすぐに切り替える訳にはいかないだろうから、最近発見されているメタンハイドレート等の天然ガスも活用すればいい(念のため、CO2が地球温暖化に繋がるなどというバカげた話はご遠慮下さい)。

最近ではあるが、自分で畑をはじめ、狩猟の世界を知り、あらゆる生き物は自然の恵みを受けて生きているという事を勉強している。そして自然はうまく循環し、バランスを保っている。だから畑で単一作物を大規模でやれば、そのバランスを保つために何らかの虫が異常発生したり、作物が病気になったりする。(それらの実際については、「自然農法」「共生栽培」「草生栽培」などのキーワードで調べてみて下さい)。全てが人間のご都合ではいかない。

畑でも狩猟でも、そのバランスが崩れると、作物の異常発生や繁殖で生態系が崩れる。生態系が崩れれば、人の食べるものがなくなる。マタギはそれを知っているから、必要以上の獲物は獲らない。常に自然と対話し、然るべき行動をとる。生きるための「エネルギー」を、自然から必要な分「頂く」のだ。

発電の原料となる、石油、天然ガス、地熱、太陽光、水力などなども、考えれば我々が食べる作物、肉などの食料と同じ「エネルギー」だ。それらをマタギの様に、自然と対話しながらバランスを保ち、利用する事ができるようになれば、それはそれはステキな循環型社会になるのではないだろうか?

何度も言ってクドいけど、それを最も妨げるのが「経済至上主義」なんだと思う。

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