バークリー音大ジャズ作曲科の卒業コンサートはこんな感じです

みなさん、こんにちは。瀬戸竜介です。

バークリー音楽大学のJazz Composition Major(ジャズ作曲科)を卒業するには、ポートフォリオを完成させるために最終セメスター(学期)でSenior Recital(シニア・リサイタル)という最後の晴れ舞台のライブ演奏を行います。

楽器編成はこれで本当に大丈夫?

それを進めるにあたり、Directed Studyというジャズ作曲家の学部長とマンツーマンでの授業を行います。自分の時はKen Pulligがチェアでしたので、Kenと卒業ポートフォリオ制作(今まで各授業で作った曲のスコアと音源をまとめる)のため、彼と諸々のやりとりをしました。またそれとは別の”Jazz Compositon 3″という授業で作る”10 min Piece”、10分の曲を作るプロジェクトが最後の締めくくりの作曲となり、今までに学んだこと全てをその曲に詰め込んでいくのですが、Directed Studyと同時進行になるため、Kenとは曲の進行具合なども併せて話し合うことになります。

楽器編成はリズムセクション + 3 Sax & 2 Brassに、フルート・フレンチホルン・バイオリン・ビオラ・チェロを加えた、いわゆる「普通」の構成ではありません。最初この編成を見たKenからは「この構成で上手くいくの?」と懐疑的な意見をもらいましたが、自分としてはどうしてもこの形で進めたかったので半ば強引に進めてしまいました。

曲名は”Prologue”としました。海外音大留学という一つの物語が終わるので”Epilogue”な気がしないでもないのですが、ここで終わりではなく、ここからが「始まり」という思いを込めて「プロローグ」というタイトルをつけました。

1つのモチーフを10分の中に散りばめる

1曲10分というのは中々の長さになります。曲の様々なセクションで移り変わっていう雰囲気の中で、同じ曲としての「繋がり」を持たせるために1つのメロディモチーフが随所に散りばめてあります。同じメロディでもコードやテンポ、ダイナミクスや拍子などが変わることでバリエーションを持たせ、曲としての「まとまり」を持たせつつも10分の長さを飽きさせないように、たくさんの工夫をしました。

結果は如何に?

ちょうど今まで作った音源の整理をしていたら、その時のDVDが出てきたので編集しました。DVDからのリッピングなので画質が悪く、また経年劣化で動画ファイルが破損しておりカクついたりする箇所がありますが、どうぞご了承ください。YouTubeにアップしましたので、これからバークリーに留学を考えている方など、ご参考になれば幸いです。

こんなに贅沢な編成でのライブは、そうそう出来るものではありません。本当にありがたい機会を頂いたこと、また、多忙の中リハーサルと本番に協力してくれた素晴らしいメンバーの皆様、あれから約16年が経ちましたが、ここで改めて心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

[Members]
Kazuyo Kuriya: Flute
Arthur Felluca: Alto Sax
Keiko Yamaguchi: Tenor Sax
Byron Colborn: Baritone Sax
Karl Matthew Svab: Trumpet
Seth Colegrove: Horn
Yasunori Fukami: Trombone
Benjamin Powell: Violin
Maria Kowalski: Viola
Halley Feaster: Cello
Tatsuya Sakurai: Guitar
Alan Benzie: Piano
Keisuke Higashino: Bass
Ryo Noritake: Drums
Arturo Pena: Percussion

Ryusuke Seto: Conductor, Guitar

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