「那須湯もみ唄」の新しいアレンジとライブ映像 | 日本の伝統音楽

那須湯もみ唄

6/9にGUNEI三島ホールで行われた「和のステージ」。今回はそのライブに向けて3曲をアレンジさせて頂きました。

1曲目に演奏したのが「那須湯もみ唄」。那須温泉の大正時代から続く伝統、湯もみ(温泉のお湯をかき混ぜること)。その湯もみの際に歌われるのがこの曲です。

まず音源を聴き、楽譜に起こす作業から始めました。いくつかあったのですが、参考にした音源はC#-で、ペンタトニックのメロディになっています。興味深いところは歌が終わる間奏に入る「合いの手」の箇所で、4/4拍子から7/4(もしくは3/4 + 4/4)に変わります。
なぜそういうリズムにしたのかは作詞作曲者が不明なので永遠の謎ですが、タイミングよく入るその「合いの手」が絶妙なアクセントになっているなと感じます。今回はそこを4小節のヴァンプとして使いましたが、これまたコーラスの良いアクセントになったのではと思っています。

テーマ部はEmajのダイアトニックコードを中心に、ベースラインを意識してインバージョンを使いながらコード付けしてみました。所々、シャープ方向やフラット方向に部分転調もしてあります。また、2コーラス目には三味線のカウンターラインを追加しました。

テーマの後はソロパートです。テーマ部が頻繁にコードチェンジするので、ソロはモーダル調にしてみました。オープンソロが終わったらテーマに戻りますが、イメージを変えるために同じコードは使用せず、また前半4小節にはキックを入れました。歌のメロディーラインを追いかけるように三味線パートはカノンになっています。

曲の最後はritして終わりますが、最後のコードはGmaj7(#11)です。このmaj7(#11)の複雑な響きが、個人的にはとても「和」と良く合うなといつも思います。

演奏した様子をYouTubeにアップしましたので、お聴きいただけたら嬉しいです。

唄: 福村 奈美
津軽三味線: 山口 理貴
ギター: 瀬戸 竜介
ベース: 吉田大陽

またリードシートは以下からお求めいただけます。
https://store.piascore.com/scores/270482

コメントを残す